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ジョルダーノ・ブルーノ

 

よみ方

じょるだーの ぶるーの

英 語

Bruno, Giordano

説 明

ジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno;1548-1600)はイタリアの哲学者、天文学者。ナポリ近郊のノラに生まれ、ナポリ大学に学ぶ。17歳でドミニコ会修道院に入り修道士となった。しかし、当時主流だったアリストテレス学説やスコラ哲学に疑問を持ち、様々な思想・哲学から独自の哲学を生み出した。1576年に「異端の嫌疑」をかけられて逃走、それ以後イタリアを離れてヨーロッパ各地を遍歴した。パリを経てロンドンに滞在中、『原因・原理・一者について(De la causa, principio et uno )』(1584年)、『無限、宇宙および諸世界について(De l’infinito, universo et mondi)』(1854年)、『英雄的狂気(De gli eroici furori) 』(1585年)などの代表作を発表した。1585年パリに戻り、さらにドイツ各都市を巡る旅を続けたが、1591年にヴェネツィアに戻ったところを官憲によって逮捕され、ローマの異端審問所に引き渡された。そのまま7年の歳月を牢獄で過ごし、異端審問で自説の完全な撤回を求めらたが拒否したため、1600年1月に死刑が確定、同年2月にカンポ・デ・フィオーリ広場で火刑に処された。
コペルニクス地動説は、太陽を不動の中心としてその周りを地球や惑星、恒星天が回転するという有限で閉じた世界であったが、ブルーノは太陽でさえ一個の恒星にすぎず、恒星はそれぞれの惑星を伴って無限の宇宙を自由に運動している、と主張した。彼の説は自然観察をもとにしたものではなかったが、近代以降の宇宙観を先取りするものであった。
ブルーノの処刑については20世紀になってから再検証がなされ、1979年にカトリック教会が公式に異端判決を取り消している。

2024年08月25日更新

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    ジョルダーノ・ブルーノの肖像画
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Portrait_of_Giordano_Bruno_in_%22Opere%22_Wellcome_L0015152_(cropped).jpg