拡散近似
よみ方
かくさんきんじ
英 語
diffusion approximation
説 明
光学的に厚い媒質中を光子が進む過程を拡散過程と近似し、媒質中の放射エネルギー流束を評価する近似法。光学的に厚い媒質中を光子が移動する場合、光子は媒質中をまっすぐに進むことができず、吸収・再放射・拡散を何度も繰り返し、媒質中をランダム運動しながら移動する。このような光子の移動過程は、拡散過程とみなすことができる。拡散近似が成り立つ場合、放射エネルギー流束は、放射エネルギー密度の勾配の方向を向くことになり、伝播速度は光学的に厚いほど遅くなる。また、局所熱力学平衡状態が実現するため、放射エネルギー密度は、温度などの局所的に与えられた物理量のみで表現できる。そのため、放射流体力学の計算をする際に、放射輸送の方程式を直接解く必要がなくなり、計算が非常に簡単化される。
2018年03月10日更新
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