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B型準矮星

 

よみ方

びーがたじゅんわいせい

英 語

B type subdwarf

説 明

B型準矮星(sdB 星)はHR図上、通常の準矮星よりも表面温度(25000 – 40000 K)と光度(~30太陽光度)が高く、水平分枝星の高温方向への延長上の領域に位置する。質量は約0.5太陽質量で質量の大半はヘリウムと中心で起こっているヘリウム核燃焼の生成元素(炭素、酸素)からなる。薄い外層は主に水素からなる。 B型準矮星が通常の水平分枝星よりも表面温度が高くなっているのは外層が非常に薄いことが原因である。その薄い外層の成因としては、連星系を構成していて、伴星との潮汐作用により、外層がはぎ取られてしまったか、単独星の場合は、以前に近接連星系を構成していた2つのヘリウム白色矮星の合体したものとも考えられている。通常、外層は主に水素からなるが、まれに、ヘリウムが非常に多い外層をもつ場合もある(He-sdB)。
B型準矮星の約10%は、非動径振動による多周期脈動変光星となっている。比較的表面温度の高い星はpモード振動で周期~1.5 — 10分で変光し、比較的表面温度の低い星はgモード振動で周期は45分から3時間程度である。また、中間の表面温度をもつ星では、pモードとgモード振動の両方のタイプの変光をするものもある。
B型準矮星は中心でのヘリウム核燃焼終了後白色矮星へと進化する。

2024年09月06日更新

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