両極性拡散
よみ方
りょうきょくせいかくさん
英 語
ambipolar diffusion
説 明
天文学では主に、中性水素雲や星間分子雲などの弱電離のガス雲から磁束が抜けることを指す。
ほぼ中性の星間雲でも宇宙線の影響でわずかに電離しており、荷電粒子が電磁場と相互作用する。中性ガス粒子が荷電粒子と大きな頻度で衝突する場合は、中性ガス粒子の運動も荷電粒子を通じて間接的に電磁場の影響を受け、電磁流体のように振る舞う。しかしながら、理想磁気流体力学における磁場の凍結した状態とは異なり、磁力線は中性ガスに凍結していない。したがって、自己重力などにより高密度に圧縮された流体である分子雲コアなどからは磁力線がゆっくりと抜け出ることになる。この磁力線のすり抜けの速度は電離度などに依存する。プラズマ物理学における用語とは異なるので注意が必要である。
2024年04月29日更新
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