天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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アルファ磁気分光器 Alpha magnetic spectrometer

磁場を利用して高エネルギー宇宙線や未知の粒子の電荷と運動量を測定する装置。Alpha Magnetic Spectrometer の頭文字をとって AMSと略称される。米国エネルギー省が主スポンサーで、代表研究者サミュエ[…]

移流優勢流 advection-dominated accretion flow

降着円盤内の降着流のモデルの一つで、移流が優勢なもの。英語のAdvection-Dominated Accretion Flowを略してADAFともいう。(乱流や熱拡散などを伴わない流れを移流という。) 高温で低密度の[…]

運動温度 kinetic temperature

気相中のイオン、原子、分子の熱的運動についての熱平衡状態を表す温度で、記号 Tk で表すことが多い。ガスの運動が熱平衡状態にある場合、ガス粒子の速度の分布関数は、この運動温度を温度パラメータとするマクスウェル-ボルツマン[…]

EGRET検出器 Energetic Gamma Ray Experiment Telescope (EGRET) detector

コンプトンガンマ線衛星に搭載されたGeV領域ガンマ線の検出器。スパークチェンバーとNaIシンチレーション検出器を用いたカロリメータ、および反同時計数検出器を備え、ガンマ線を検出器内で起こした対生成過程でつくられた電子・陽[…]

オリオン座 Orion (constelletion)

冬の代表的な星座の一つ。明るい1等星のベテルギウスは半規則型の脈動変光星で、2019年秋より暗くなりはじめ2020年2月10日頃に約1.6等となり、この100年間では最も暗い状態の一つとなった。このため、冬の大三角が容易[…]

温室効果 greenhouse effect

大気を持つ惑星では、惑星表面からの熱放射が、宇宙空間(大気圏外)に到達する前に、大気中の物質に吸収・散乱され、エネルギー輸送が妨げられるため、大気内の温度が上昇する。これを温室効果という。ビニールやガラスで覆われた温室の[…]

温室効果ガス greenhouse gas

温室効果を引き起こすガスのこと。地球大気中で温室効果を引き起こすガスは多数あるが、効果の小さいものや、水蒸気のように効果は大きくても人間の活動では大気中の含有量がほとんど変化しないものは地球温暖化に大きな影響はない。人間[…]

カー時空 Kerr spacetime

カーブラックホールの時空のこと。

銀河サーベイ galaxy survey

銀河に対するサーベイ観測のこと。一定の明るさ以上の銀河、あるいは輝線を出すなどの特定の性質を持つ銀河をすべて検出するために、ある天域を覆い尽くす観測。覆い尽くす天域の広いものは「ワイドサーベイ」(全天に近い広さなら「全天[…]

銀河磁場 galactic magnetic field

銀河の大局構造としての磁場のこと。渦巻銀河を電波連続波で偏波観測することで磁場の方向と強度を調べることができる。また、天の川銀河(銀河系)を初めとする横向き銀河では、偏光電波源の観測から求めた回転量度によって視線に沿った[…]

欠乏(欠乏量) depletion factor

ある特定の元素に関して、星間ガス中に実際に存在している量を本来存在すべきと予想される量(参照量)で割って対数を取ったもの。欠乏量などとも呼ばれる。以下の式で定義する。 ここで、参照量とは、元素がすべてガスになってい[…]

コア集積モデル core accretion model

木星型惑星は中心のコアの周りに、水素とヘリウムを成分とする層(エンベロープ)をまとっている。この層の起源として、微惑星の集積によって成長した固体の原始惑星が重力によって周囲の原始惑星系円盤のガスを捕獲したという考えを、コ[…]

降着 accretion

中心にある重い天体(原始星、恒星、白色矮星、中性子星、ブラックホールなど)の重力に引き寄せられて周囲から物質(主にガスやダスト)が落下してくること。質量降着(mass accretion)という場合もある。 落下する物[…]

降着円盤 accretion disk

恒星やブラックホールなどの天体に周囲からガスが落ち込む場合、角運動量をもっているガスは主星にはまっすぐに落ちず、主星の周りにリングを形成し、 それが広がって円盤になる。これを降着円盤という。 質量M の点源の周りを円運動[…]

降着時間 accretion time

質量降着の継続時間。質量降着で輝く天体のアウトバーストの継続時間に対応する。たとえば古典新星、X線新星、ガンマ線バーストなどの継続時間である。

降着トーラス accretion torus

活動銀河核の大質量ブラックホールの周りに形成される低温で光学的に厚い(光学的厚さが大きい)物質。太いリング(トーラス)状になるのでこの名前がある。大質量ブラックホールへ周囲から質量降着してくる物質の一時的な溜まり場である[…]

降着流 accretion flow

中心天体への降着に伴う流れのこと。

コロナ磁場 coronal magnetic field

コロナ中の磁場のことで、太陽光球面で観測される磁場がコロナの高さにまで達したもの。コロナ磁場の値は10-100ガウスである。コロナの磁場を観測データより推定する最も直接的な測定は、コロナ輝線のゼーマン効果による円偏光を検[…]

磁気圧 magnetic pressure

プラズマ(電磁流体)中に磁場があることによって生じる圧力。磁場の強さの2乗に比例する。ガスの圧力と同じように圧縮しようとする作用に対しての反発力となり、磁気圧勾配に比例した力が生じる。ローレンツ力のうち、等方的な成分が磁[…]

磁気嵐 magnetic storm

地磁気嵐ともいう。コロナ質量放出などによって太陽からやって来たプラズマが地球磁気圏に達して引き起こす擾乱現象のこと。磁気嵐が発生すると地球磁気圏のイオンや電子の分布が変動する。オーロラが頻繁に発生したり、無線通信に障害が[…]