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KM3NeT

 

よみ方

けいえむすりーねっと

英 語

KM3NeT

説 明

地中海の深部にヨーロッパ中心の国際協力で建設されている次世代のニュートリノ検出器。完成時には、メガトン規模から数立方キロメートルに及ぶ巨大な検出体積をもつことになる。天体ニュートリノが検出器内あるいは周囲で相互作用して発生する荷電粒子が海水中で放出するチェレンコフ光を、光センサー(光電子増倍管)でとらえることによりニュートリノを検出する。ニュートリノが飛来する方向を知ることができるため「望遠鏡」と称されている。

KM3NeTは、検出体積とその中に配置される光学モジュールの密度が異なる、2種類のニュートリノ検出器からなる。ARCA (Astroparticle Research with Cosmics in the Abyss) は、イタリア・シシリー島の沖3,450 mの深さで、およそ1立方キロメートルの海水を比較的疎に配置された光学モジュール(31個の3インチ光電子増倍管と電子回路で構成)で監視することにより、高エネルギーのニュートリノの観測に最適化されており、超新星ガンマ線バースト、あるいは恒星の衝突といった遠方の天体物理学的な起源から来るニュートリノの探索を行う。一方、ORCA (Oscillation Research with Cosmics in the Abyss)は、フランス・ツーロンの沖2,350 mの深さで、およそ7メガトンの海水を密に配置された光学モジュールで観測することにより、地球大気中で生成されたGeV領域のニュートリノの性質を研究するための装置である。両検出器は現在建設中であるが、一部は既に稼働している。完成時には、合計345本(ARCAは230本、ORCAは115本)の垂直検出ライン(ARCAは90 m、ORCAは9 m 間隔)からなり、それぞれのラインには18個の光学モジュールが取り付けられる。アイスキューブ実験は南極にあり、主に北天からのニュートリノを観測するのに対し、地中海にあるKM3NeTは主に南天からのニュートリノを観測する。

2023年に、ARCA により $120^{+110}_{-60}$ PeV というこれまでで最高エネルギーのニュートリノ由来のミューオンが検出されたことが報告された (Nature, 638, 376-382, 2025)。到来方向は2度程度の範囲で決定されたが、明らかな対応天体は見つかっていない。検出された日付から KM3-230213Aと呼ばれるこの事象は、ニュートリノのエネルギーとして72 PeV-2.6 EeVに相当し、このエネルギーで理論的に期待されていた頻度より高いことになるため、未知の起源をもつ可能性が指摘されている。
ホームページ:https://www.km3net.org/
ニュートリノ天文学も参照。

2026年06月01日更新

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    ニュートリノ検出器KM3NeTの想像図。
    https://cerncourier.com/a/a-neutrino-telescope-deep-in-the-mediterranean-sea/