磁変星
よみ方
じへんせい
英 語
Magnetic variables
説 明
磁気変光星とも呼ばれ、表面に1 kGから40 kG程度(kG=キロガウス=0.1テスラ)の強い磁場を持つ変光星である。磁場は、それらの星の進化のごく早い時期に形成された化石磁場と考えられているが、その形成過程はよく理解されていない。磁場は主に双極磁場で、その極軸は自転軸と傾いているため、観測される磁場の強さは自転周期で変化する。また、強い磁場の存在により、外層の乱流が抑えられるため、放射圧による元素の拡散が磁力線の影響のもとで起こる。そのため、ヘリウム(He)、ケイ素(Si)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、希土類元素、などが集積する層および表面領域ができ、化学特異星として観測される。そのような不均一な元素分布によって光の透過が均一でなくなるため、見える半球面で明るさが異なり、自転の周期で変光が観測される。自転周期は2日弱から10年以上の場合まである。そのような長周期の変光のほかに、比較的温度の低いA型星には、短周期(数分-20分)の変光が観測されるものもある。この短周期変動はpモード非動径振動に起因するもので、このような変光を示すA型特異星は roAp星(高速振動A型特異星)と呼ばれる。
2025年01月15日更新
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