天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

ロス卿

 

よみ方

ろすきょう

英 語

3rd Earl of Rosse: William Parsons

説 明

ロス卿(3rd Earl of Rosse; 1800-1867)はイギリスの天文学者。本名はウィリアム・パーソンズ(William Parsons)。大金属反射望遠鏡を作って、銀河の渦巻構造を発見した。英ダブリンのトリニティー大学とオックスフォード大学で数学を学んだ。アイルランドの広大な領地を相続した、第3代のロス卿。合金の金属鏡を研磨する技術を習得し、1847年に口径183 cmの「リヴァイアサン」と呼ばれた当時世界最大の反射望遠鏡をバー城(オファリー郡バー村のロス伯爵代々の住居用建物)に完成させた。当時、星雲と呼ばれた天体は、広がったガスか、それとも星に分解されるのかは、宇宙の大問題だった。ロス卿はリヴァイアサンを使って星雲を研究するうちに、M51星雲(銀河)の渦巻き模様を発見した。しかし、大望遠鏡で見てもオリオン星雲のように星に分解できないものもあったので、その後も論争が続いた。

2024年08月24日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    ロス卿
    ロス卿(ウィリアム・パーソンズ)
    出典
    http://static.bbc.co.uk/universe/img/ic/640/scientists/william_parsons_3rd_earl_of_rosse/william_parsons_3rd_earl_of_rosse_large.jpg
    リヴァイアサンの銅版画
    https://ja.wikipedia.org/wiki/パーソンズタウンのリヴァイアサン#/media/ファイル:BirrCastle_72in.jpg
    ロス卿によるM51星雲のスケッチ(左)と、後世に写真で捉えられた姿(右)http://messier.obspm.fr/more/m051_rosse.html