余剰次元
よみ方
よじょうじげん
英 語
extra dimension
説 明
私たちが暮らす宇宙は時間方向1つ、空間次元3つの4次元時空でできている。しかし、相互作用の統一理論の立場からは3を超える空間次元を考え、4つめ以降の空間次元は小さすぎるか、あるいは遮蔽されていることによって観測にはかからない、という高次元理論が多数考えられている。その嚆矢はすでに1920年代にカルツァ(T. Kaluza)とクライン(O. Klein)によって与えられ、彼らは5次元時空において重力理論を考え、4番目の空間次元をコンパクト化して4次元時空の理論を構成すると、4次元重力と電磁場が現れる、という電磁力と重力の統一理論を考えた。相互作用の統一理論は、超重力理論、超弦理論と進化してきたが、超弦理論は量子異常を持たず、無矛盾に構成できるためには時空が10次元であることを要求し、4次元時空の残りの6次元空間はカラビ-ヤウ多様体にコンパクト化していると考える。このような、4次元時空を超える空間次元のことを、一般に余剰次元と呼ぶ。余剰次元の大きさが動的に変化すると、4次元宇宙に余計な場が発生したり、結合定数が変化したり、さまざまな影響が出てくることになる。
2018年03月06日更新
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