反射望遠鏡
よみ方
はんしゃぼうえんきょう
英 語
reflecting telescope
説 明
主たる集光素子としてレンズではなく反射鏡を使用する望遠鏡のこと。反射鏡には、レンズに見られる色分散がない(鏡面反射される光の方向に波長依存性がない)ため、すべての光学素子を反射鏡で構成した望遠鏡には色収差がない。また、反射鏡は鏡面部分のみが高精度に磨かれていればよく、レンズなどの屈折素子のように素子全体にわたって一様で高い透明度が必要とされない。さらに、鏡面の側面や裏側は使用しないので、側面や裏面を用いた多点で鏡を支持することができる。これらの利点により、反射鏡はレンズよりもはるかに大型のものを製作することができる。色収差がないため、望遠鏡全体の口径比を小さくすることが可能となり、口径に対して望遠鏡構造をコンパクトにできる。したがって、現在では口径1 mを超える望遠鏡はすべて反射望遠鏡となっている。
反射望遠鏡には、主鏡の後に置く反射鏡の種類と配置を変えることによって、主焦点(直焦点)、ニュートン焦点、カセグレン焦点、グレゴリー焦点、ナスミス焦点、クーデ焦点と呼ばれるさまざまな焦点を設置することができる。
反射望遠鏡の筒先に補正板と呼ばれる屈折素子を配置して、広視野にわたる収差を補正した望遠鏡を反射屈折式望遠鏡(カタディオプトリック望遠鏡(catadioptric telescope))と呼ぶ。シュミット望遠鏡はこれに当たるが、広義の意味で反射望遠鏡に分類されることもある。反射屈折望遠鏡では望遠鏡の有効径が補正板で決まるため、あまり大型の望遠鏡を製作することができない。ただし、簡便に広視野を確保できるため、アマチュア用の小型望遠鏡ではよく採用される。そうしたものに、シュミットカセグレン式望遠鏡やマクストフ式望遠鏡などがある。
焦点(望遠鏡の)も参照。
2018年04月12日更新
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