中性水素原子
よみ方
ちゅうせいすいそげんし
英 語
neutral atomic hydrogen
説 明
水素は、陽子1個からなる原子核の周囲をもつ原子に対応する元素であり、質量は1.67353×10-27 kgである。元素記号はH。中性状態では原子核1個に電子1個が結合しており、これを、電離した水素原子に対して、中性水素原子と呼ぶ。中性水素原子に13.6 eV以上のエネルギーを与えると、電子は原子から飛び出し電離する。このエネルギーが水素原子の電離エネルギーである。陽子と電子はともに 1/2 のスピン角運動量を持ち、中性水素原子では陽子と電子とのスピンの相対的な向きによって2つのエネルギー準位を持つ。両者の向きが同じ(平行)である状態の方がエネルギーが高く、これに対応して、水素原子の基底状態(1s)は僅かに異なる2つのエネルギー準位を持つ(→超微細構造)。この準位間の遷移で、波長21.106114 cm、すなわち、周波数1420.40575 MHzのスペクトル線を示す。そこで、これを、21cm線と呼ぶことが多い。
2023年05月10日更新
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