軌道不安定
よみ方
きどうふあんてい
英 語
orbital instability
説 明
もともと交差しない軌道上にあった複数の天体の軌道が乱されて、軌道が互いに交差するようになることを軌道不安定と呼ぶ。中心星の周りを公転する同程度の質量の天体(たとえば惑星)の数が2つの場合は、軌道間隔(軌道長半径の差)が、天体質量によって決まるある臨界値以下だと軌道が不安定ですぐに離心率が増大して軌道交差が起きる。また、軌道間隔が臨界値以上だと軌道は安定である。それに対して天体の数が3つ以上の場合は軌道間隔がどれだけ大きくても、有限の時間で突然、軌道不安定が起きる。軌道不安定が起きるまでの時間は天体質量と軌道間隔の大きさに依存し、天体質量が大きく軌道間隔が小さいほど短時間で不安定となる。このような過程は惑星形成過程において重要となる。また、質量の大きな天体と平均運動共鳴の位置にある小天体は大きな天体からの重力作用が蓄積して軌道が不安定となる。小惑星帯のカークウッドの間隙は、この結果形成されたものであると考えられる。
2018年03月15日更新
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