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波長板

 

よみ方

はちょうばん

英 語

wave plate

説 明

光の偏光状態を変換する光学素子の1つで、入射光の電場振動を波長板の特定の方向(光学軸)とそれに直交する2つの成分に分けたときに、一方の他方に対する相対的な位相をシフトさせるもの。光の電場の振動方向によって屈折率が異なる複屈折性結晶を利用して製作する。媒質中の光の速度は屈折率に反比例するので、複屈折性結晶中では一方の振動方向の光は他方に対して遅れることになる。したがって、光が結晶の厚さの分だけ進んだ後には、遅れた距離に対応する分の位相がずれることになる。この位相ずれがちょうど必要な量となる厚さに結晶を研磨したものが波長板として用いられる。広く用いられるのは、半波長板(1/2波長板: 位相ずれが180^\circ)と1/4波長板(位相ずれが90^\circ)である。半波長板は、入射光の直線偏光の方向を、波長板の光学軸に対して対称な方向に回転させる。したがって、半波長板をある角度回転させると、出射光の直線偏光の方向はその2倍の角度だけ回転する。この性質を利用して直線偏光の測定を行う。1/4波長板は、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変換する。この性質を用いて円偏光の測定を行う。偏光子も参照。

2018年03月21日更新

関連画像

半波長板を透過した光の直線偏光状態の変化。直線偏光の方向は半波長板通過後、その光軸に対して対称な方向に変化する。従って、波長板を回転させると、出射光の直線偏光の方向は、波長板の回転角の2倍の角度だけ回転する。このような2次元平面での作図が可能なのは、位相変化が180度の場合(半波長板)に限られる。(山下卓也氏作成)