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渋川春海

 

よみ方

しぶかわ はるみ(しゅんかい)

英 語

SHIBUKAWA Harumi

説 明

初代の幕府天文方(1639-1715)。幕府碁方(ごどころ)安井算哲(やすいさんてつ)の子、幼名を六蔵といい、後に助左衛門と改名、さらに安井家の本姓渋川を名乗った。幼時から天文に優れ、暦学は岡野井玄貞(おかのいげんてい)らに学び、垂加神道は山崎闇斉(やまざきあんさい)に師事、宮廷天文学者の土御門(つちみかど)家にも弟子入りした。

当時施行の宣明(せんみょう)暦が800年以上も改訂されずに不正確になっていたため、中国は元朝の授時(じゅじ)暦を研究し、新暦への改暦を幕府に進言したが失敗。その後完成した大和(やまと)暦を再度提案して採用、貞享2年(1685)ようやく「貞享(じょうきょう)暦」として施行された。その功績で初代の幕府天文方に任命された。恒星の天文観測も行ない、中国の星座に加えて、61星図(305星)を新設したことも重要な科学的業績である。

2021年10月03日更新

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    渋川春海
    品川の東海寺にある渋川春海の墓と説明板(撮影:中村士 2005年)