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選択天域

 

よみ方

せんたくてんいき

英 語

Selected Area

説 明

カプタイン(J. Kapteyn)が1904年に、天の川銀河銀河系)(当時は宇宙そのものと考えられていた)の形と大きさを決めることを目的として提唱した計画で示された206個の天域。Selected Areaの頭文字の後に天域の番号を付けて、SA103などのように呼ばれる。各天域はほぼ1度四方で、ほぼ15度間隔で全天に分布していた。このほかにも、銀極方向など特別に重要な方向では、46の天域が定められた。カプタインは、この天域内にある一定の明るさより明るいすべての星の等級色指数固有運動視線速度、およびスペクトル型を決定する国際共同観測を提案した。進行中のこの計画の観測データを基にカプタインは、1922年に「カプタイン宇宙」と呼ばれる宇宙モデルを作り上げた。国際天文学連合には、1970年の総会まで、選択天域のための小委員会が存在して活動していた。

2018年04月18日更新

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