天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

クェーサー吸収線系

 

よみ方

くぇーさーきゅうしゅうせんけい

英 語

quasar absorption line systems

説 明

クェーサーのスペクトルに見られる多数の吸収線を指し、われわれとクェーサーとの間の宇宙空間にある物質がクェーサーからの光を吸収することによって起こる。特に、ライマン系列のライマン\alpha輝線よりも短い波長側には、宇宙空間にある水素原子起源の多数の吸収線が見られ、同様に炭素やケイ素の輝線よりも短い波長側には、宇宙空間にあるこれらの元素起源の吸収線が見られる。このような吸収線系を観測することによって、宇宙空間にある水素原子の電離状態や重元素の組成に関する情報が得られる。
これらの吸収線は中性水素原子の柱密度の違いによって、ライマン\alpha雲(10^{17}\,{\rm cm}^{-2}より小さい)、LLS10^{17}-10^{20}\,{\rm cm}^{-2})、DLA10^{20}\,{\rm cm}^{-2}より大きい)と呼ばれる。銀河間物質も参照。

2018年09月16日更新

関連画像

*クエーサー吸収線系とそのスペクトルの概念図
梅村雅之・千葉柾司・西 亮一「銀河形成理論」、シリーズ現代の天文学 第3巻、二間瀬・池内・千葉編『宇宙論II』 5章 図5.10(日本評論社)
*クェーサーQ0102-190(赤方偏移3.035)のスペクトル
梅村雅之・千葉柾司・西 亮一「銀河形成理論」、シリーズ現代の天文学 第3巻、二間瀬・池内・千葉編『宇宙論II』 5章 図5.11(日本評論社)