熱平衡
よみ方
ねつへいこう
英 語
thermal equilibrium
説 明
相互にエネルギーをやりとりができる2つの熱力学的な系に対し、時間が経ってもそれぞれの熱力学状態が変化しない状況をいう。熱平衡状態や熱力学的平衡と呼ぶこともある。熱平衡にある系を特徴付ける熱力学変数が温度$T$である。古典近似の場合、系を構成する粒子のエネルギー分布は、温度が $T$ の場合として
$$f(\epsilon)=e^{-(\epsilon-\mu)/(k_{\rm B}T)}$$
で与えられるボルツマン分布となる。ここで、$\epsilon$ がエネルギー準位、$k_{\rm B}$ はボルツマン定数、$\mu$ は化学ポテンシャルである。系全体が完全な熱平衡状態になっていなくても、部分系が熱平衡状態と見なせる場合もあり、特に,化学的に1種類の粒子のエネルギー分布が1温度のボルツマン分布に従う場合、これを局所熱力学平衡と呼び、星間ガスの励起を考える場合によく仮定される。
2023年05月12日更新
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