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誘導放射

 

よみ方

ゆうどうほうしゃ

英 語

stimulated emission

説 明

物質と電磁波の放射吸収をエネルギー準位間での遷移に基づいて考えると、電磁波の入射とは無関係に、高エネルギー準位から低エネルギー準位へ確率的に遷移する自発放射と、入射した電磁波強度に比例して低エネルギー準位から高エネルギー準位へ遷移する吸収のほかに、入射した電磁波強度に比例して高エネルギー準位から低エネルギー準位に遷移する放射も必要であることが、アインシュタインの指摘によって明らかとなった。この放射を誘導放射という。誘導放射によって生じる電磁波は、その原因となった入射電磁波と周波数も偏波も一致していることが分かっている。熱平衡に近い物質中では、低エネルギー準位にある粒子(電子や原子や分子)の方が高エネルギー準位にある粒子よりも多数であるため、誘導放射は吸収が目減りする効果しかもたらさず、その存在には気づきにくい。しかし、なんらかの方法で高エネルギー準位の方がずっと多い状況(反転分布)を定常的に作り出すことができれば、そこに電磁波を入射することで誘導放射を誘発させ、より強力な電磁放射を発生させることができる。これがメーザーやレーザーである。誘導放射で放出される光子は周波数、偏波などの量子状態が入射光光子と同一である。誘導吸収メーザーも参照。

2018年03月06日更新

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