ラム圧
よみ方
らむあつ
英 語
ram pressure
説 明
物体が流体(通常は気体やプラズマ)中を運動するときに、その物体が流体との衝突によって受ける圧力。その強さ $P$ は流体の密度 $\rho$ と速度 $v$ を用いて$P=\frac{1}{2}\rho{v}^2$ で表される。
銀河が銀河団内を運動する際、銀河団を満たす高温の銀河団ガスと衝突することで、この圧力を受けて銀河内のガスやダストが剥ぎ取られる。これをラム圧によるガスのはぎ取り(銀河の)という。銀河の星生成活動が抑制されたり、銀河の形態が変わったりする原因となる。
流体力学でいう動圧は流体の流れそのものが持つ運動エネルギー密度に対応する圧力で、ラム圧は流体が物体にぶつかったときに動圧を受けて物体が感じる力と言える。前者はエネルギー的視点で見た流体の圧力で、後者は流体との衝突による力という視点で見た圧力である。実際には両者は同義語として使われる場合もある。
ちなみに、ラムとは衝角のことで、大砲が主要な兵器となる以前の時代の軍船の先頭喫水線下に取り付けられた固定武装で、軍船ごと体当たりして敵船に穴を開けるためものである。
2025年09月29日更新
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