原始地球大気
よみ方
げんしちきゅうたいき
英 語
primordial terrestrial atmosphere
説 明
成長する原始地球で原始大気ができる過程は2つのものが考えられる。1つは、原始惑星系円盤のガス中で地球が成長する場合で、火星サイズを越えると重力で引きつけたガスによる水素を主成分とした大気(一次大気)ができる。もう1つは、ガスが晴れ上がった後に地球が成長する場合で、衝突脱ガスにより生成される、水蒸気や二酸化炭素を主成分とする大気(二次大気)である。いずれの大気においても、毛布効果で集積の際に解放された重力エネルギーの散逸が妨げられるため、大気底の温度が上昇して、地球質量程度では表面はマグマオーシャンで覆われる。マグマオーシャンの表面での、酸化鉄やシリケイトとの反応で、一次大気の場合でも大気中に水蒸気が供給される。宇宙生命実験では、ミラーの実験で用いられた、メタン、アンモニア、水素、水蒸気の混合気体が原始地球大気のモデルとして知られる。しかし、このような強い還元型大気は、地球型惑星の形成モデルでは生成は困難で、存在したとしても不安定であると考えられている。
2018年03月22日更新
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