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ペバトロン

 

よみ方

ぺばとろん

英 語

PeVatron

説 明

陽子や原子核を{\rm PeV}\,(=10^{15}\,{\rm eV}\sim 10^{-4}\,{\rm J}=10^3\,{\rm erg})を超えるエネルギーまで加速する天体。粒子加速器となっている天体の呼称として、’PeV’と、サイクロトロンなど加速器の名称の接尾辞に用いられている’-tron’からつくられた造語である。
宇宙線のエネルギースペクトルは、エネルギーEとともにべき乗則(E^{-\alpha}\alpha=2\sim3)に従って急速に減少するが、およそ3\,{\rm PeV}あたり(このエネルギーは宇宙線スペクトルの「ひざ (ニー、knee)」と呼ばれている)でべき指数\alphaが変化する(さらに急速に減少する)(宇宙線の項の図参照)。これは天の川銀河の磁場では宇宙線を銀河に閉じ込めておくことが難しくなり、漏れ出していくこと、および銀河宇宙線の主な起源とされる超新星残骸などにおける加速限界のあらわれである、と解釈されているが、少なくとも、このエネルギーまで粒子を加速する天体が銀河系内に存在することを示唆している。また、高エネルギーニュートリノGZKカットオフまで伸びる宇宙線の観測から、銀河系外にもぺバトロンは存在していると考えられている。しかし、まだ具体的な天体としては、ペバトロンの候補がいくつか報告されている段階にある。

2021年05月09日更新

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