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うるう秒

高

よみ方

うるうびょう

英 語

leap second

説 明

閏秒とも書く。日常生活で用いられている協定世界時(UTC)と世界の時刻基準として用いられている国際原子時(TAI)とのずれが0.9秒を越えないように、UTCに挿入あるいはUTCから削除される秒のこと。うるう秒を挿入(あるいは削除)するかどうか、およびいつそれを行うかは、世界各地の天文台の天文観測に基づいて、パリ天文台にある国際地球回転・基準系事業(IERS: International Earth Rotation and Reference Systems Service)中央局が決定する。12月末か6月末に行われる。

うるう秒による調整が必要な理由は地球の自転速度が長期的、短期的にさまざま時間スケールで変化するからである。地球史的な長い時間スケールでは月による潮汐摩擦の効果で地球の自転は遅くなっている。しかし一方で、100年程度以下という短期的な時間スケールで見れば地球の自転速度は複雑に変化することが分かった。これは国際単位系(SI)の秒の定義が地球の自転と関わりない高精度の原子秒に変わったために、地球の自転そのものを天文観測から精密に測定できるようになったことによる。1972年にTAIとUTCの間のうるう秒による調整が始まって以来のうるう秒の挿入記録(TAIとUTCの差)を見ると、2000年から2020年にかけては1日の長さが86400秒に近いため、うるう秒の挿入頻度が少ないことが分かる。
ホームページ:http://www.timeanddate.com/time/leapseconds.html

2021年08月04日更新

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    うるう秒
    * 協定世界時(UTC)と国際原子時(TAI)の差。うるう秒による調整が行われるようになった1972年からは、うるう秒の挿入記録でもある。
    岡村定矩「時と暦」、シリーズ現代の天文学第1巻、岡村・池内・海部・佐藤・永原編『人類の住む宇宙』第2版 7章 図7.6(日本評論社)
    1日の長さ(86400秒との差ΔDで示した:単位はミリ秒で左軸)の時間変動。1972年を0秒としたΔDの累積値も示してある(単位は秒で右軸)。地球の自転変動に伴い1日の長さは常に変化しているが、近年は86400秒付近で推移しているため、うるう秒の挿入間隔が長くなっていることが分かる。うるう秒の挿入記録は地球自転の変化の記録でもある。うるう秒による調整が始まった1972年の時点ですでにUTCはTAIから10秒遅れていた。このため2021年時点でUTCとTAIの差は37秒(~10+ΔDの累積値)である。
    出典 https://en.wikipedia.org/wiki/File:Deviation_of_day_length_from_SI_day.svg
    (この図に日本語説明を付記した)