ケプラー式望遠鏡
よみ方
けぷらーしきぼうえんきょう
英 語
Keplerian telescope
説 明
屈折望遠鏡の一種で、対物レンズと接眼レンズの両方に凸レンズを用いる。ガリレオ式望遠鏡と異なり、倒立像(上下がさかさまになった像)が見える。望遠鏡光軸に対して傾いた入射光線も、接眼部の瞳位置で見ることができるため、広い視野を持つ。ガリレオ式望遠鏡の視野が望遠鏡倍率の2乗に反比例して急速に狭くなるのに対して、ケプラー式望遠鏡では倍率の1乗に反比例するだけなので、高い倍率でも視野を確保できる。対物レンズの焦点面に十字線や縮尺目盛を挿入できる利点があり、観測対象の精密位置観測用の望遠鏡として使用される。現在使用されている屈折望遠鏡は基本的にはすべてケプラー式である。
ケプラー式望遠鏡は、ケプラーによって1611年にその最初の設計が発表された。ケプラー自身は実際の望遠鏡を製作しておらず、1615年にシャイナー(C. Scheiner)がケプラー式望遠鏡の実物を製作して天体観測に応用した。
2018年04月22日更新
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