ハッブル時間
よみ方
はっぶるじかん
英 語
Hubble time
説 明
ハッブル定数の逆数で表される時間。宇宙年齢の目安となる。宇宙の大きさ(スケール因子)を縦軸に、時間を横軸に取った図を描いたとき、ハッブル定数は現在の時刻におけるグラフの接線の傾きとなる。この傾きを過去に外挿して縦軸がゼロ(宇宙の大きさがゼロ)になる時刻がビッグバンに相当する。この時刻から現在までがハッブル時間である(図参照)。言い換えれば、膨張率が現在の値と変わらないままで宇宙が膨張したとする場合の宇宙年齢がハッブル時間である。一般には、宇宙の膨張は過去ほど激しく、時間とともに万有引力の作用で減速しているので、実際の宇宙年齢はハッブル時間より短いと考えられていた。しかし、1998年頃から宇宙が現在は加速膨張していることがわかり、宇宙年齢は必ずしもハッブル時間より短いとはいえなくなった。ちなみに2020年時点で広く用いられたハッブル定数の推定値はプランク衛星のチームが報告した H0 = 67 km s-1 Mpc-1 で、ハッブル時間は146億年である。一方、観測データを総合して別途推定された宇宙年齢の最良推定値は138億年である。ハッブル-ルメートルの法則も参照。
2023年07月30日更新
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