天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

エウロパ

高

よみ方

えうろぱ

英 語

Europa

説 明

木星ガリレオ衛星の一つ。直径3140 kmの氷衛星である。表面は厚さ3 km以上の氷に覆われており、ひび割れが多数見える。表面にはクレーターがほとんど見られず、地表面が活発に更新されていることを示している。この地質活動は放射性元素壊変による熱と木星との間の潮汐加熱により維持されている。
アメリカ航空宇宙局(NASA)のガリレオ探査機による観測から、エウロパの氷地殻の厚さは平均10-30 kmであり、その下には100-150 kmの厚さを持つ地下海水が存在すると推測された。また、地上観測からも表面に水氷、ナトリウム塩、マグネシウム塩などの存在が示唆されており、エンセラダスと同様エウロパの地下には液体の海が存在することは確実視されている。2023年4月に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関(ESA)のJUICE(木星氷衛星探査機;2034年頃に木星軌道に投入;日本からも参加している)、2024年10月に打ち上げられたNASAのエウロパ・クリッパー(2030年頃に到達)など、将来の探査機による調査が待たれる。

 

参考:3Dモデル https://science.nasa.gov/jupiter/moons/europa/

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/100400538/

2025年01月10日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    ガリレオ衛星
    ガリレオ衛星の比較(NASA)。左からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。
    http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA01299 の図に衛星名を付記した。
    エウロパの氷の表面にできたひび割れ(NASA/JPL/University of Arizona) 
    https://www.nasa.gov/multimedia/imagegallery/image_feature_1339.html