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エネルギー運動量テンソル

 

よみ方

えねるぎーうんどうりょうてんそる

英 語

energy-momentum tensor

説 明

時間あるいは空間一定面を横切るエネルギーおよび運動量の流束を表す物理量で、 2階のテンソルで表現される。流体静止系では、エネルギー密度(時間・時間成分) および運動量密度(空間・時間成分)、エネルギー流束(時間・空間成分)、および 運動量密度流束である圧力および応力(空間・空間成分)を成分として持つ。 運動量と4元運動量の関係と同じように、ニュートン力学における応力テンソルの 相対論的拡張と考えると理解しやすい。 質量とエネルギーの同等性、および応力がモーメントをゼロにするように分布する ことから対称テンソルとなる。 非相対論的な完全流体の場合は、密度 ρ、速度 (vx,vy,vz)、 圧力 p を用いて 

Tμν=(ρρvxρvyρvzρvxp+ρvx2ρvxvyρvxvzρvyρvxvyp+ρvy2ρvyvzρvzρvxvzρvyvzp+ρvz2)

と書ける。μ,ν は 0 が時間成分、1, 2, 3 は x,y,z 成分を表す。 一般相対性理論においては、ラグランジアン密度の時空計量に対する 変分によって定義される。アインシュタイン方程式と ビアンキ恒等式から、全エネルギー運動量テンソルの共変微分による発散はゼロとなるが、これは重力場を除いた全エネルギー運動量の局所的な保存を意味する。

2023年04月18日更新

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