CCD
よみ方
しーしーでぃー
英 語
charge coupled device(CCD)
説 明
電荷結合素子と呼ばれる半導体画像センサー。入射光子による内部光電効果で生じた電子と正孔対のうち、電子を各画素内の電荷ポテンシャルに蓄積することで光量に比例した電子画像を取得することができる。読み出し時に、電荷ポテンシャルを逐次移動させて、蓄積された電荷を転送し、最終的な読み出しゲートでデジタル化された時系列信号とすることにより、電子画像をコンピュータに取り込むことができる。電荷転送の方式には、インターライン型とフレームトランスファー型がある。天文学ではインターライン型でなく、フレームトランスファー型が用いられる。
量子効率が1%程度であった写真乾板に比べて、数十倍高い量子効率があり、入出力線形性の良さ、感度ムラが少ないなどの利点から、微弱光の天文学観測の画像センサーとして1980年代から普及した。天体観測では長時間露光できるように冷却して暗電流を抑えて使う。写真乾板に比べて撮像面積が小さい難点があったが、800万画素の大型素子が開発され、それらを多数敷き詰めたカメラが実用化されて、可視域の画像センサーの主流となった。X線の観測でも用いられている。
1969年ボイル(W. Boyle)とスミス(G. Smith)によって、CCDの基本技術が発明された。二人は2009年にノーベル物理学賞を受賞した。
2021年02月04日更新
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