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S型星

 

よみ方

えすがたせい

英 語

S-type star

説 明

ハーバード分類で化学組成の違いに対応する系列の低温度星。表面温度はR型星N型星よりも低くく、M型星に近い。炭素の多い星のうち、大気の炭素と酸素の組成比がC/O>1のとき炭素星、C/O<1のときS型星とされる。酸化ジルコニウム(ZrO)の分子の吸収帯が際立って強い。Zrの他に、ストロンチウムSr、イットリウムY、バリウムBaなど、s過程元素に富んでいる。漸近巨星分枝進化にあり、ヘリウム殻フラッシュ(熱パルス)で合成された元素が対流によって表面まで運ばれている。半減期の短い(2.1x105年)放射性s過程元素テクネチウムTcが見られるのがその証拠である。S型星の大部分が変光星である。1922年にメリル(P.W.Merrill)により導入された。

2023年04月18日更新

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    星のさまざまなスペクトル型。(粟野諭美・田島由起子・田鍋和仁・乗本祐慈・福江 純 共著『マルチメディア 宇宙スペクトル博物館<可視光編>天空からの虹色の便り』裳華房より引用)。
    https://www.shokabo.co.jp/sp_opt/star/list/csp_s.jpg
    * ハーバード分類の系列。安藤裕康「星の明るさと色」、シリーズ現代天文学第7巻、野本・定金・佐藤編『恒星』1.1節 図1.1(日本評論社)を改変。
    M型星とS型星のスペクトル。酸化チタンTiO(上)と酸化ジルコニウムZrO(下)の吸収線の位置を示す。S型星はZrOの吸収が強い。左側に星の名前、右側にスペクトル型を記す。
    Keenan (1954) ApJ 120, 484より引用。