遅延(干渉計の)
よみ方
ちえん(かんしょうけいの)
英 語
delay (interferometer)
説 明
天文観測で用いる干渉計で干渉させる2つの光路長に対応する時間のこと。時間は遡ることができないので信号を記録しない限り、遅延による表現の方が本質的といえる。干渉強度は光路差で変化するので、遅延量の絶対値よりも、遅延の違いや変化がより重要で、2光路の遅延の差を単に遅延と呼ぶことも多い。遅延には、信号伝播に伴い必然的に発生するものと光学系などを制御して人為的に生じさせるものとがある。前者には、2つの素子アンテナを結ぶ直線(基線)と直交する方向に対して光線の入射方向が傾いているために生じる幾何学的遅延のほか、大気の屈折率による遅延、干渉部分までの伝送路による遅延などがある。後者には、幾何学的遅延を調整して視野中心を移動させる位相遅延追尾や、1/4周期の遅延を加えることで位相差を一意に測定する複素測定などがある。
2018年03月06日更新
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