質量-光度比
よみ方
しつりょうこうどひ
英 語
mass-to-luminosity ratio
説 明
天体の質量 M を光度 L で割った量で、 単位光度を放射するのに必要な質量を意味する。 これが大きい天体は放射の効率が低い。 天文学固有の量であり、主に恒星以上の階層の天体に適用される。 生の値が扱われることはほとんどなく、 通常は太陽の質量-光度比 $M_{\odot}/L_{\odot}$ で割った無次元量 $(M/M_{\odot})/(L/L_{\odot})$ が用いられる。 M/L という表記は、ほとんどの場合はこの無次元量を意味する。 太陽は定義によってM/L=1、太陽より軽い主系列星は M/L>1、 重い主系列星はM/L<1である。 星団の質量-光度比は、所属する星の全質量をそれらが放射する全光度で割った値となる。 軽い星の割合が高い星団ほど質量-光度比が大きい。 銀河や銀河団は光度に寄与しないダークマターも含んでいるので、 それだけ質量-光度比は大きくなる。 たとえば銀河団の質量-光度比は100を超える。 なお、光度はバンド(測光システムを参照)によって異なるので、正確を期すために、使用したバンドパスを M/LB のように明示することもある。
2023年05月18日更新
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