後退速度
よみ方
こうたいそくど
英 語
recession velocity
説 明
宇宙論的赤方偏移を、その天体がわれわれから遠ざかる相対運動によって生じたものであると解釈して計算した速度。宇宙論的赤方偏移は宇宙膨張による空間の伸びが原因であり、相対運動による解釈は便宜上のものである。
あまり遠くにない銀河については、銀河の後退速度 $v$ と距離 $r$ との間にハッブル-ルメートルの法則と呼ばれる比例関係 $v=H_0\thinspace{r}$ が良い近似で成り立つ。この比例定数 $H_0$ はハッブル定数と呼ばれる。ただし、アンドロメダ銀河のような局所銀河群の銀河では、天の川銀河(銀河系)との間の万有引力が強いため、後退速度は負(マイナス、すなわち銀河系に接近している)のことがある。近年では後退速度よりは、正負どちらも表現できるより一般的な概念である視線速度が用いられることが多い。
2024年01月11日更新
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