可干渉性
よみ方
かかんしょうせい
英 語
coherence
説 明
2つ以上の波動が同一地点に同時に到達する場合に、それらの間で干渉現象が見られる場合、これらの波の間には可干渉性があるという。単に干渉性という場合もある。英語のコヒーレンスをそのまま用いることも多い。定量的には、周波数ないし時間領域での波の相関の程度をす指標であり、2つの時系列信号に対して可干渉性 $\mathrm{coh}\,(\nu)$ は以下の式で定義される。
$$\mathrm{coh}(\nu) \equiv \frac{|S_{12}(\nu)|}{\sqrt{S_{11}(\nu)S_{22}(\nu)}}$$
ここで、$S_{11}(\nu)$ と $S_{22}(\nu)$ はそれぞれの信号の自己相関関数のスペクトル、$S_{12}(\nu)$ は相互相関関数のスペクトルである。なお、この2乗である $ \mathrm{coh}^2(\nu) $ を可干渉性の値とする場合もある。上式からわかるように、この $\mathrm{coh}(\nu) $ は正規化されており、$0\leq \mathrm{coh}(\nu) \leq 1$ を満たす。$\mathrm{coh}(\nu) =1$ は、2信号が振幅以外が完全に一致していることを示す。一方、信号1、2間の相対位相が一定でない場合には、$ \mathrm{coh}(\nu) $ は1未満となる。
なお、空間的に変化する2つの信号に対しても、上と同様の可干渉性を空間周波数領域で定義することができる。
2023年04月09日更新
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