天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

タイタン

高

よみ方

たいたん

英 語

Titan

説 明

土星の最大の衛星で、半径2575 km、質量1.345\times 10^{23}\,{\rm kg}(密度1880\,{\rm kg\,m^{-3}})の天体である。
窒素を主成分とする厚い(表面で1.5気圧)大気が存在する。大気には3%のメタンが含まれる。タイタンの大気では、光化学反応により窒素とメタンから有機分子が生成され、さらに高分子化が進むと考えられる。生成された有機物をソリンと呼んでいる。これはタイタン大気中にスモッグとして分布して大気を不透明にしている。タイタンには、地球と似た気象現象と地形が存在する。大気中にはメタンの雲があり、メタンの雨が降って河川や湖を形成する。以前は、メタンとエタンからなる面積の広い海が存在したと考えられていたが、カッシーニ探査機の観測では現在は液体メタンは極域に湖として存在する。

カッシーニ探査機から分離されたホイヘンス探査機の着陸地点は10-20 cmほどの氷塊が散らばっているが、土壌には液体のメタンが含まれていた。表面に衝突クレーターは少なく、表面年代は若い。カッシーニ探査機のレーダーにより、砂丘地形が発見されている。カッシーニ探査機によるタイタンの自転運動の観測から、エウロパのような地下海の存在が示唆されている。一方、カッシーニ探査機のフライバイ観測で得られたタイタンの慣性能率は0.34で、ガニメデの0.31より高い。そのため、タイタン内部では氷と岩石が完全に分離していないのではないかと、考えられている。

2018年04月18日更新

関連画像

ホイヘンスの着陸地点(ESA)
近赤外線で写したタイタン。厚い大気の下に表面の地形が見える。
(NASA/JPL/University of Arizona/University of Idaho - http://photojournal.jpl.nasa.gov/jpeg/PIA20016.jpg)
タイタン表面の河川地形(ESA)