天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

太陽風

高

よみ方

たいようふう

英 語

solar wind

説 明

太陽から流出する超音速のプラズマ流。太陽と逆方向に延びた彗星の尾のイオンテイルを説明するために、1950年頃ドイツのビアマン(L. Biermann)により太陽から吹き出す高速の荷電粒子流の存在が推察された。理論的にその存在を1958年の論文で予想したのがアメリカのパーカー(E. N. Parker)で、100万度のコロナが太陽の重力を振り切って、惑星間空間に超音速で吹き出さねばならないことを示した。このときにこの流れをパーカーは太陽風と名づけている。
人工衛星が地球の磁気圏の外に出るようになって、1962年に金星探査機マリナー2号が、実際にパーカーの予言通りの超音速流を観測して確認した。その後に続いた黄道面内での観測やユリシーズ衛星による黄道面外からの観測などから太陽風構造が調査され、太陽風は300-800\,{\rm km\,s}^{-1}の速度幅をもっていること、また太陽風はコロナホール境界部に起源をもつ300-400\,{\rm km\,s}^{-1}の低速太陽風と、コロナホール内から吹き出す700-800\,{\rm km\,s}^{-1}の高速太陽風とに分けられることがわかった。電波シンチレーション観測から活動領域端に低速太陽風源があるという報告がなされたが、同様の磁気配置をしている領域において、ひので衛星は活動領域端のコロナ下部から高速のフローが発生していることをつきとめた。
1 auの距離でみると、高速太陽風の密度は低速太陽風に比べ30%程度と低いが、温度は高速太陽風のほうが一桁近く高温となっており、高速太陽風では惑星間空間を伝播する間もプラズマ温度を上昇させる加熱が続いていることがわかる。高速太陽風が根付いているコロナの下部の温度は低速太陽風よりも低く、下部境界条件の温度だけでその高速太陽風の最終速度まで加速することは難しい。このため高速太陽風では、惑星間空間で観測されるアルベーン波などの磁気流体波による追加速が必要であると考えられている。

2018年04月20日更新

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