天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

イトカワ

中

よみ方

いとかわ

英 語

Itokawa

説 明

はやぶさ探査機の詳細観測とサンプルリターンのターゲットになった小惑星。1998年に発見され1998 SF36の仮符号がつけられ、後に正式に登録されて、日本のロケット開発の先駆者である糸川英夫にちなんでイトカワ(25143 Itokawa)と命名された。地球接近小惑星のアポロ群に属するスペクトル型S型の小惑星である。細長い三軸不等で大小二つの塊がくっついたような形をしており、大きさは535×294×205 mである。自転周期は12.1時間、公転周期は1.5年である。
はやぶさ探査機によって持ち帰られたサンプルの研究から、以下のようなイトカワの歴史が明らかになった。46億年前の太陽系誕生初期に直径20 km以上のイトカワの母天体ができた。内部温度は約800℃まで上がった後ゆっくり冷えた。その後他の小天体の衝突で母天体はばらばらになったが、破片の一部が重力で集まってイトカワができた。宇宙風化作用で表面の色が次第に黒くなり現在に至っている。また、地球に数多く落下する普通コンドライト隕石はS型の小惑星にその起源があることも分かった。

2018年08月12日更新

関連画像

イトカワの軌道。リュウグウの軌道も描かれている。
(クレジット: JAXA)
はやぶさ探査機が撮影したイトカワ
(クレジット: ISAS/JAXA)