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重力エネルギー

高

よみ方

じゅうりょくえねるぎー

英 語

gravitational energy

説 明

物体が持つ重力による位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)で、天体を無限遠にうすく広がる状態にするのに要するエネルギーで定義される。質量 M、半径 R の球状の天体が蓄えている重力エネルギーは aGM^2/R である(Gは万有引力定数)。定数aは1程度の値で半径方向の密度分布による(一様密度のときは a=3/5)。星を作っている物質は、もとをたどれば宇宙空間に薄く広がっていた物質である。それらが重力場のなかで寄り集まって塊を作る。遠方から中心天体の重力に引かれて落ちてくる物質は、重力によって仕事をされて速度が増し、運動エネルギーを得る。これは、遠方にあったときに物質が持っていた重力エネルギーが姿を変えて運動エネルギーになったと考えられる。これを重力エネルギーが解放されるという。物質は衝突を繰り返したりして加熱されるので、解放された重力エネルギーは最終的には大部分が熱エネルギーとなる。星が生まれるときに中心部を核反応が起きるまで高温にしたり、ブラックホールの周りの降着円盤を高温にしたりするのは、そこに落ち込む物質が解放する重力エネルギーである。

2018年03月09日更新

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