SMOKA
よみ方
えすもか
英 語
SMOKA (Subaru-Mitaka-Okayama-Kiso-Archive)
説 明
さまざまな天文観測装置が生み出した公開データ(観測者などが占有する期間が過ぎたものなど)を一般に広く提供し、利用を促進するとともに研究結果の検証を可能とするシステムを開発・提供するサイトおよびその活動の名称である。国立天文台(NAOJ)の天文データセンター(NAOJ/ADC)が中心となって開発と運用を行っている。国立天文台のすばる望遠鏡、同岡山天体物理観測所(現ハワイ観測所岡山分室)の188cm望遠鏡、 東京大学木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡、東京科学大学のMITSuME望遠鏡群、広島大学東広島天文台のかなた望遠鏡、兵庫県立大学西はりま天文台のなゆた望遠鏡、京都大学岡山天文台のせいめい望遠鏡のデータを提供している。名前は、Subaru-Mitaka-Okayama-Kiso-Archiveの頭文字を取った略語で、エスモカと発音される。
1994年2月に、国立天文台の天文学データ解析計算センター、岡山天体物理観測所(いずれも当時の名称)、東京大学木曽観測所の担当者や有志により、SMOKAの前身であるMOKAの開発が始められ、1995年6月に運用が開始された。2001年6月には、MOKAのシステム拡充を行った上ですばる望遠鏡のデータを加えた現在のSMOKAの運用が開始された。
公開データの観測装置数は運用開始から年々増え続けており、2025年現在約40 にのぼる観測装置のアーカイブデータを検索するためのさまざまな手法が用意されている。また、SMOKAの基本システムとは別に提供しているデータがある。それらは、木曽観測所の105 cmシュミット望遠鏡による約7000枚の写真乾板をデジタル化したデータ、SMOKAに収蔵されている観測データに対応したデジタル一眼レフカメラによる全天モニタ画像(対象設備は、岡山天体物理観測所、東広島天文台、MITSuME望遠鏡(明野)、木曽観測所、すばる望遠鏡)、およびトモエゴゼンのデータ(一部)である。これらは検索やデータ提供の仕組みが異なるため、それぞれSMOKAとは別のシステムで提供している。
SMOKAが提供するデータ(大部分は生データだが一部の観測装置については処理済データもあり)は、さまざまな波長の天文観測データの保存に最も広く使われている FITS形式である。SMOKAの利用は非営利の研究教育の目的に限られているが、利用登録は天文研究者のみならず教員や社会教育施設関係者、アマチュア天文家、天文愛好家など広い範囲に開かれている。
SMOKAは海外の天文研究コミュニティの間にも広く知られており、国内だけではなく国外からも登録がある。SMOKA からダウンロードしたデータを利用した主な査読論文誌での論文数は2025年現在で累計で300本以上に上っている。
ホームページ:https://smoka.nao.ac.jp/index.ja.jsp
2025年08月14日更新
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