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スリット分光

 

よみ方

すりっとぶんこう

英 語

slit spectroscopy

説 明

天体の像を取得する観測を撮像観測というのに対し、プリズム回折格子などの分散素子を用いて天体のスペクトルを取得する観測を分光観測と呼ぶ。スリット分光は、スリットと呼ばれる細長い小窓を望遠鏡焦点面に置き、それを通して入射する光を分散素子でスリットの短辺方向に分散させて天体のスペクトルを取得する方法である。近年は、天体の配置に合わせて多数のスリットをレーザー加工で刻んだプレートを用いるマルチスリット分光が重要な役割を果たしている。

2018年04月12日更新

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    *スリット分光器の概念図。スリットを通過した光がコリメーターミラーで平行光線のビームとなり、それが回折格子で分散されスペクトルとなる。カメラミラーはこの分散されたビームを検出器の上に結像する。検出器の上には波長毎のスリットの像が結像される。