天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

狭輝線領域

 

よみ方

きょうきせんりょういき

英 語

narrow-line region

説 明

活動銀河核のスペクトルに見られる幅の狭い(半値全幅が数百km s-1程度)許容線禁制線が放射される領域。英語の頭文字を取ってNLRとも呼ばれる。中心エンジン(降着円盤とコロナ)からの極紫外線(EUV)〜X線を含む電離連続光により光電離されたガスからなると考えられている。領域の大きさは100パーセク(100 pc=326光年)程度とかなり大きく、ガスの温度は約1万 K、数密度は 102 cm-3 から 104 cm-3 程度である。スペクトルに幅の狭い許容線だけが見られる活動銀河核は2型AGNと呼ばれている。広輝線領域活動銀河核統一モデルも参照。

2025年10月27日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    *活動銀河核統一モデルの概念図に示された狭輝線領域。トーラスの存在のため、観測者の視線方向により見かけ上1型と2型の違いが生じる。
    村山卓「活動銀河中心核の統一モデル」、シリーズ現代の天文学 第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 4.5節 図4.15(日本評論社)