天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

バイエル符号

 

よみ方

ばいえるふごう

英 語

Bayer designation

説 明

1603年にドイツのバイエル(J. Bayer)によって出版された世界で初めての全天星図『ウラノメトリア』(バイエル星図とも呼ばれる)で用いられた恒星の名称(識別符号)。各星座の明るい星に、ギリシャ文字の小文字(α,β,γ, )あるいはラテン文字アルファベット(A, b, c,…)とその後に星座名を3文字にした略号をつけて、例えば、α Ori(オリオン座 アルファ星)、β Gem(ふたご座べーた星)、δ UMa(おおぐま座デルタ星)、ϵ Cas(カシオペヤ座イプシロン星)などのような形式で表す。これに習って天文学者らによってウラノメトリア以降に加えられたり、修正されたりしたものも含めてバイエル符号と呼ばれる。

各星座の中では、1等星や2等星など明るい星の方がより若いギリシャ小文字が当てられていることが多いが、同じくらいの明るさの星では天球上の位置順や、星座形状による順などがあり、文字割り当ての一般的な規則はないようである。バイエル符号は今日でも星の名称として広く用いられている。
フラムスティード番号も参照。

2025年02月08日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    冬の大三角を形作る星のバイエル符号。それ以外のオリオン座の星にはバイエル符号の小文字のギリシャ文字だけが示してある。
    出典:日本天文学会 天文学辞典
    http://astro-dic.jp/winter-triangle/