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天体分光学

高

よみ方

てんたいぶんこうがく

英 語

astronomical spectroscopy

説 明

天体を対象にした分光学。天体からの電磁波を波長あるいは周波数成分に分解して測定する(分光観測を行う)ことにより、その組成や温度のほか、観測者に対する視線速度などを測定することができる。分光観測の目的の一つは、天体からの電磁波のエネルギー分布や連続光成分を測定することであり、そのためには波長(周波数)成分ごとの光の絶対強度の測定が必要となる。恒星の周りの降着円盤星周物質の存在は、恒星スペクトルの赤外超過として観測される。
また、光の放射領域に存在する原子や分子によるスペクトル線の測定も分光観測の目的の一つである。これには放射領域の速度場に応じた波長(周波数)分解能が必要となる。1814年にフラウンフォーファー(J. von Fraunhofer)が太陽光に暗線を見つけたことに始まる吸収スペクトル線を用いた恒星大気の構造・組成の研究や、大気吸収線の波長変動の精密測定による太陽系外惑星の探査などがある。星間物質銀河に見られる輝線スペクトルからは、天体の赤方偏移や回転運動の測定、輝線強度比を用いた温度と密度の測定などが行われる。
分光観測は今日ガンマ線X線から電波に至るまであらゆる周波数の電磁波について行われるようになっている。

2018年04月12日更新

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