章動
よみ方
しょうどう
英 語
nutation
説 明
太陽や月は時々刻々と位置を変えていくので、地球の自転軸は歳差のような大きな変動だけでなく、もっと短い周期で複雑な運動をしている。これが章動と呼ばれる運動で、平均の極の周りを振動するような現象である。18世紀のイギリスの天文学者ブラッドレー(J. Bradley)により発見された。 章動で最も大きな成分は振幅が約 9"(これを章動定数と呼ぶ)で周期18.6年のものである。これは月の軌道面と黄道の交点である平均昇交点が18.6年で黄道を1周し、周期的に引力を変化させることにより生じている。 章動は、黄道に平行な方向に働く、黄経における章動($\Delta \psi$)と、垂直な方向に働く、黄道傾斜における章動($\Delta \varepsilon$)の2つに分けることができる。歳差だけでなく、章動まで考慮した春分点、天の赤道および極をそれぞれ、真春分点、真赤道、天文中間極(以前は暦表極と呼ばれていた)と呼び、この座標系における天体の位置を視位置と呼ぶ。
2023年05月14日更新
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