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局所静止基準

 

よみ方

きょくしょせいしきじゅん

英 語

Local Standard of Rest

説 明

太陽系の位置で天の川銀河中心周りを等速円運動する仮想的な点。英語の頭文字をとってLSRと呼ぶことも多い。国際天文学連合による推奨値を用いれば、LSRは、銀河中心から距離8.5キロパーセク(8.5 kpc=28000光年)で、銀経90^{\circ}銀緯0^{\circ}の方向に速度220\,{\rm km\,s}^{-1}で運動している。太陽運動を補正することで、天の川銀河内の天体の相対運動を理解するための基準として導入される概念である。 太陽を基準とする星々の運動のデータを解析してLSRの運動を求めるが、対象とする星のサンプルによって多少の不定性がある。
電波天文学では、局所静止基準を原点とした視線速度が日常的に用いられており、この場合、太陽の固有運動が観測的に未確定であるために生じる不定性に左右されないように「太陽は局所静止系に対して1900年分点赤経18h、赤緯+30^{\circ}の方向に+20\,{\rm km\,s}^{-1}で運動している」とする定義を使用している。
天の川銀河太陽運動も参照。

2018年03月26日更新

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局所静止基準が銀河中心を回る運動と、局所静止基準に対する太陽の運動。これらは天体物理学的には実測に基づいて決めるべきものではあるが、明確な定義が必要となったため、厳密な数値に基づく定義がなされている。局所静止基準の銀河中心を回る運動は銀河座標に、局所静止基準に対する太陽の運動は1900年分点の赤道座標に対して切りが良い角度になるように決められている。出典:半田利弘著 秀和システム「よくわかる宇宙の基本と仕組み」