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光度曲線(小惑星の)

 

よみ方

こうどきょくせん(しょうわくせいの)

英 語

light curve (minor planet)

説 明

小惑星の光度の時間変化を表す曲線(光度曲線を参照)。多くの小惑星太陽系外縁天体は球からはずれた形状をしているため、自転とともに太陽に照らされている見かけの面積が変化して、光度が変動する。この光度の変動から自転周期を求めることができる。通常は1回の自転の間に2回光度曲線のピークがある。異なる時期で光度曲線の観測を行えば、太陽位相角の違う時期のデータを取得できる。観測波長における小惑星の平均的な反射率などの光学特性を仮定すれば、3個以上の光度曲線のデータから逆問題を解くことにより、自転軸の傾きや小惑星の形状を推定することも可能である。天体に衛星が存在していると、衛星が天体と重なったときに光度が変化する。光度曲線から天体のサイズや衛星の周期を求めることができ、それから天体の質量や密度を推定することが可能である。

2018年03月08日更新

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    小惑星の回転によって光度が変化することを示す概念図。http://www.konkoly.hu/research3.shtml
    小惑星asteroid (129) Antigoneの光度曲線。https://community.dur.ac.uk/physics.astrolab/a_lightcurve.html