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カブリ数物連携宇宙研究機構

 

よみ方

かぶりすうぶつれんけいうちゅうけんきゅうきこう

英 語

Kavli-Institute for the Physics and Mathematics of the Universe

説 明

文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム (WPI) によって2007年に東京大学に設立された研究機構。2011年には東京大学国際高等研究所の傘下となり、WPIプログラム完了後の2022年度からは東京大学によって運営されている。東京大学柏キャンパスに主たる研究棟があるほか、岐阜県飛騨市神岡に神岡分室がある。数学、物理学、天文学などの連携・融合により宇宙の起源、進化、未来など宇宙に関する根源的な疑問を解決することを目的としている。2012年には米国カブリ財団の寄附による基金が創設され、研究機構名称にカブリを冠するようになり、Kavli IPMU と略称される。カブリ財団の名前を付けている「カブリ研究所」は2025年現在、宇宙物理学、神経科学、ナノサイエンス、理論物理学分野で世界に20研究所あるが、Kavli IPMUは日本に存在する唯一のものである。2007年10月の創立時からカリフォルニア大学バークレー校の村山斉教授が機構長を勤めたが、2018年10月にカリフォルニア工科大学の大栗博司教授に交代し、2023年11月からは東京大学大学院理学系研究科附属ビッグバン宇宙国際研究センターの横山順一教授が機構長を務めている。

Kavli IPMUでは平日は毎日午後3時に、訪問研究者も含めて誰でも参加できるティータイムがあり、コーヒーや茶菓子を片手に会話がはずむ。至る所にある黒板を使っての議論も自然に始まり、その場での会話がきっかけとなった世界トップレベルの研究成果も多数生まれている。このティータイムは、機構創立期から続いていて、Kavli IPMU における研究分野融合の取り組みの象徴とも言える。新型コロナウイルス感染症の流行期にはオンラインでの交流を続けた。このティータイムへの参加と毎年1−3ヶ月の海外研究機関での研究活動が所属研究者の二つの義務とされるが、教授会等の業務はなく、研究に専念できる体制を取っている。外部資金獲得の支援や生活情報支援など、外国人研究者には英語で対応する手厚い事務体制を敷くことで、研究者が着任後ただちに研究に専念できることも特徴である。

2025年時点で常勤研究者は約90名おり、60%以上が外国人研究者という非常に国際的な研究機構で、国内外の連携研究者も含めると250名を超える規模である。また、活発にセミナーやコロキウム、国際研究集会が行われており、国内外からの訪問研究者が年間1000名を超えている。

天文学分野の研究においては、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC)のデータを用いた物理解析を主導する機関の一つとして、宇宙論の検証や原始ブラックホールの探索など観測的宇宙論研究で数多くの成果をあげている。また、2025年2月より本格観測を開始したすばる超広視野多天体分光器 (PFS) プロジェクトの主導機関の一つである。
ホームページ:https://www.ipmu.jp/ja


Kavli IPMUの紹介動画_2(2024年)

https://www.youtube.com/embed/P-4727_5gac?si=WAKV-DBnz-fWl7J-"


Kavli IPMUの紹介動画_1(2015年)

https://www.youtube.com/embed/T0DrNuLHQGk?si=fekmBFyLSs8XG1Ab"

2025年06月20日更新

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    東京大学柏キャンパスにあるKavli-IPMUの建物 http://www.ipmu.jp/ja/2016102122-OpenHouse2016
    * ライトアップされたKavli-IPMUの建物(2010年)
    (撮影 岡村定矩)
    中学校の理科教科書に掲載されたティータイムの様子。
    『新しい科学 3』(東京書籍 令和4(2022)年本)