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コスミックバリアンス

 

よみ方

こすみっくばりあんす

英 語

cosmic variance

説 明

宇宙に対するある観測量が宇宙全体の平均値からずれていること、あるいはそのずれの大きさ。宇宙は一つしか観測できないため、宇宙の大構造を特徴づけようとすると十分な統計精度を確保することができなくなる。このために観測によって得られた量が宇宙全体の平均値からずれてしまっている可能性を排除できない。これは観測誤差となり、原理的に観測だけから補正する方法がない。

宇宙モデルによる理論的な観測量の予言は、宇宙全体の平均量として与えられるため、観測と理論の比較に限界が生じることになる。一方、小構造は宇宙のあちらこちらに多数見つけることができるために、十分な数をもって統計的な解析を行うことができる。したがってコスミックバリアンスの影響は宇宙論的な大構造の解析に対して顕著になる。たとえば、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)のスペクトル解析において、大角度モードに対応する温度ゆらぎの誤差はコスミックバリアンスが支配的である。これは大角度スケールのゆらぎに十分なモード数が含まれていないためであり、観測の精度をいくら上げても原理的に減らすことができない誤差となっている。

2024年01月11日更新

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