天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

不透視帯

 

よみ方

ふとうしたい

英 語

zone of avoidance

説 明

天の川銀河銀河系)の銀河面には星間物質が集中しているため、面に沿った方向では可視光で観測可能な奥行きに限界がある。特に、太陽系は天の川銀河の円盤部のほぼ中央面に位置するため、銀河面に沿った帯状の部分は可視光でほとんど観測不能な領域になる。この帯状の領域を不透視帯と呼ぶ。具体的な範囲は場合によって異なるが、典型的には銀河面から数度以内の天域を指すのが通例である。銀河の分布や宇宙の大規模構造を調べる上では、不透視帯を避けて観測するのが通例で、最終的なサーベイ結果でも円盤状に未観測領域ができる。赤外線X線による観測から、ここに銀河団超銀河団が隠れている例も見つかっている。また、天の川銀河に飲み込まれつつある矮小銀河のいくつかも不透視帯に位置する。

2018年04月18日更新

関連画像

不透明帯がわかる銀河分布
銀河面付近で発見されている銀河の分布。上は銀経40°から70°の間に見える銀河の、銀緯に対する視線速度から見積もった距離の分布。下は銀緯±15°以内に見える銀河の、銀経に対する視線速度から見積もった距離の分布。銀緯±10°以内で見つかっている銀河はわずかで、ここが不透視帯に対応する。赤い◆は、不透視帯にある銀河を探すことを目的に行われた赤外線観測で2008年に見つかった銀河。出典:Marleau F. R., et al. (2008) Astronomical Journal 136, 662-675。