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ウォラストンプリズム

 

よみ方

うぉらすとんぷりずむ

英 語

Wollaston prism

説 明

入射した電磁波(光)をお互いに直交した2つの直線偏光状態に分離する偏光プリズムの1つ。三角柱の形状(プリズム型)をした複屈折性を持つ光学材料を2つ貼り合わせて作製する(図参照)。第一の材料と第二の材料の境界での光の屈折角は、2つの材料の屈折率の比によって決まる。複屈折材料では光学材料の特定の方向(光学軸)に対する光の直線偏光の方向によって屈折率が異なるため、同一材料であっても光学軸の方向を変えた材料を組み合わせれば、斜めに入射した光は異なる方向に屈折する2つの光に分離される。複屈折率材料の光学軸の方向の組み合わせによりウォラストンプリズムとロションプリズムがある。ウォラストンプリズムは分離角\alphaが最大となる組み合わせで、ロションプリズムは常光線が直進するという特徴を持つ(\thetaはプリズムの頂角)。ワイヤーグリッドなどの偏光子は入射光の単一の直線偏光しか取り出せないのに対して、偏光プリズムは2つの直線偏光を利用できるので偏光観測の効率を向上させることができる。偏光子も参照。

2018年08月16日更新

関連画像

ウォラストンプリズム
*負の一軸結晶(異常光線に対する屈折率が常光線に対する屈折率よりも小さい)により構成されたウォラストンプリズムとロションプリズムの光の分離の様子。結晶内の矢印が光学軸の方向を、光の軌跡に示された矢印が直線偏光方向を表す。
佐々木敏由紀「偏光素子」、シリーズ現代の天文学 第15巻、家・岩室・舞原・水本・吉田編『宇宙の観測I』第2版 6.7節 図6.35(日本評論社)