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ウィーンの変位則

高

よみ方

うぃーんのへんいそく

英 語

Wien's displacement law

説 明

黒体放射のスペクトル(プランク分布)の最大エネルギーを与える波長\lambda_{\rm max}とその黒体の温度Tの積(または最大エネルギーを与える振動数と黒体温度の比)は定数になるという法則。以下の式で表される。
\lambda_{\rm max}{T}=2.898\times10^{-3}\,\,\,\,[{\rm m\,K}]
波長の単位を[\mu {\rm m}]にとると、  \lambda_{\rm max}\ [\mu {\rm m}]\ T\ [{\rm K}] = 2898 で表される。 このため、最大エネルギーとなる波長は黒体の温度が高いほど短波長になる。波長1\,\mu {\rm m} でエネルギー最大となる放射スペクトルを持つ黒体の温度は 2898 K となる。太陽のスペクトルは波長約0.5\,\mu {\rm m} の可視光で最大となっており、これより太陽の表面温度は約5800 Kであることがわかる。
また、プランク分布を周波数 \nu の関数で表した場合に、最大エネルギーを与える周波数 \nu_{\rm max} は、
\nu_{\rm max}=5.879\times10^{10}\,T\,\,\,\,[{\rm Hz}]
となる。プランクの法則も参照。

2020年01月15日更新

関連画像

* ウィーンの変位則(破線)
* 横軸を波長に取った場合と周波数に取った場合ではウィーンの変位則のグラフ上の見え方が変わる。
* 対数目盛(横軸は波長)で表したプランク分布とウィーンの変位則(破線)
中井直正「HIガスの観測」、シリーズ現代の天文学第6巻、福井・犬塚・大西・中井・舞原・水野編『星間物質と星形成』2.2節 図2.4(日本評論社)を改変。
* 対数目盛(横軸は周波数)で表したプランク分布とウィーンの変位則(破線)
中井直正「HIガスの観測」、シリーズ現代の天文学第6巻、福井・犬塚・大西・中井・舞原・水野編『星間物質と星形成』2.2節 図2.3(日本評論社)を改変。