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ベガ等級

 

よみ方

べがとうきゅう

英 語

Vega magnitude system

説 明

広く使われる標準的な測光システムに対して定義された等級。歴史的には観測データが得やすい北極星を含む周極星の明るさに基づいていたが、1953年にジョンソン(Johnson, H. L.)とモルガン(Morgan, W.W.)が出版した論文で、北極系列と呼ばれる6個の星の明るさからVバンドの等級の原点を決め、別の6個の明るいA0型の主系列星(スペクトル型(星の):A0V)の平均の明るさで、U-B=B-V=0となるように色指数の原点を決めた。この基準となった6個のA0V型星になじみの深いベガが含まれていた。ベガの等級はU=0.02、B=0.03、V=0.03等であり、ゼロ等級(等級の原点)に極めて近い。
ゼロ等級がどれだけの放射流束に対応するかは、星のスペクトルエネルギー分布(SED)を測って決める。現在最も高い精度でSEDが測定され、それを表す精密な大気モデルのある星がベガであり、等級と放射流束の対応はベガで定められている。このような背景からベガ等級という言葉が広く使われている。
ベガ等級の基準となる0等の放射流束は、基準となったA0V型のスペクトルに従って波長により変化するため、Jy(ジャンスキー)などの単位で表すときには注意が必要である。AB等級も参照。

2018年03月12日更新

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